仮に300万円のお金があったとして、A銀行に200万円、B銀行に100万円の預金をしたとします。
各預金の利息は次の通りとします。
そこで金利率をみるのに、A銀行の金利率は,「30,000÷2,000,000=1.5%JB銀行の金利率は、「10,000÷1,000,000=1.0%」合計の金利率は、「40,000÷3,000,000=1.33%」という計算をすることができます。
これらはどれもそれぞれに意味があります。
ところが、仮に、A銀行の金利30,000円を合計の預金額3,000,000円で割って、「30,000÷3,000,000=1.0%」という計算をしたとすると、この1.0%という数字は何を意味することになるのでしょうか。
これは意味のない数字ですね。
次に、同じような数字を使って次のケースを考えてみます。
すでに勉強したROAとR0Eを計算すると、ROA=営業利益÷資産合計=40,000÷3,000.000=1.33%R0E=税引後利益÷純資産=18,000÷2,000,000=0.9%となります。
ROAは上の銀行預金のケースで計算した合計の金利率1.33%に、R0EはA銀行の金利率1.5%を税引後に換算したもの(1.5%×0.6=0.9%)にそれぞれ相当します。
ところが、仮に、「経常利益÷総資産=30,000÷3,000,000=1.0%」という計算をしたとするとどうでしょう。
これは先ほど意味のない計算だといったのと同じ計算です。
総資産を使って営業利益を稼ぎ、そこから借入金に対して支払利息を払って経常利益が残るわけですから、経常利益は純資産に帰属する利益になるはずです。
それを総資産で割るというのは、A銀行の金利を合計の預金額で割るのと同じような、意味の分からない計算をしていることになります。
しかし、現実にはROAを経常利益÷総資産と説明している本も多くあります。
わざわざROAなどといわず、総資産経常利益率という名前のまま使うこともあります。
たとえば、会社が四半期ごとに公表する決算短信には、東京証券取引所が定めた様式に従い総資産経常利益率が主要指標の1つとして示されています。
このようにあえて経常利益が使われているのはどうしてでしょうか。
わが国では伝統的に経常利益が利益の指標として最も重視されてきました。
これには、戦後国内資本が潤沢でなく証券市場も発達していなかった時期には、会社が成長していくために銀行からの借り入れに頼らざるをえず多くの会社が借金依存の財務体質になっていた、という事情がありました。
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