そこは居間から一段下がった、半地下の穴倉のようになっていて、職業柄製図も多いので、製図板を兼ねた3メートル半もある大きな机があって、やりかけの仕事が並行して2、3同時に進行できるようになっている。
ここが私の城である。
しかし、時としてはそれが子どもたちに占領されたりもする。
拙宅でも毎年決まってクリスマスにジグソーパズルをくれる人がいて1週間ほどは未完成のジグソーが書斎に散乱する。
書庫の百科事典が数冊積み上げてあって、孫の取ってきた植物採集の押し花の重しになっている。
このように、書斎以外の目的にも書斎は使われる。
また、最近は情報源も多様化して、図書ばかりではなくニューメディアとしてのレコード、カセットテープ、ビデオテープ、コンパクトディスク、スライド、マイクロフィルムなどのことも考えなくてはならない。
すでにワープロやパーソナルーコンピュータを導入している人もいるだろう。
書斎・書庫といっても書籍だけ収容しておけばよいというものではなくなった。
私の書斎は見回しただけでもステレオ、電子オルガン、ピアノ、模型のSL、冷蔵庫等々、これはかなり大人の遊び部屋か大人のおもちゃのほうに堕落している。
だいたい、知的生活の書斎人というのは、暖衣飽食というよりも、竹林の賢人のようなイメージがあって、その書斎とか、勉強部屋は、南向きの太陽が差しこんで、ホカホカしている場所ではない。
赤道直下の環境では、暑くて頭もボンヤリ、ヤシの木陰で昼寝をするのがよい。
勉強はおろか、仕事をする気力もなく、昼さがりの情事さえおっくうになる。
頭のはたらきのいちばんよいのは摂氏4度という説もある。
書斎や勉強部屋を4度にするわけにはいかないとしても、寒いくらいの部屋がよい。
北向きの部屋がよかろう。
北向きの窓は、一日中一定の天空光が入る。
ひと昔前までは、画家のアトリエは北窓が常識だった。
北向きの窓からの景色は南を向いて咲く花や南を向いて育つ樹木の正面を見ることになる。
敷地の狭い最近の宅地でも、北向きの窓なら隣家の南側の、いちばんよいところを借景できるということになる。
南向きの窓なら、南隣の家の便所の窓ぐらいしか見えないかもしれないところでも、北向きの窓は隣家の花を眺めることになる。
なによりも寒いほどの書斎がよいことは、冷暗所ということで、こうした書籍や、レコードやテープ、フィルムなど、現代的なメディアの保管に向いているからである。
驚異の輝きを誇る太陽光発電の関連企業からは、太陽光発電の情報は出ておらず、どう展開するかまだ分からないとしている。